就労継続支援A型事業所の倒産が続出!倒産した事業所の特徴とは?


現在、就労継続支援A型事業所の倒産が続出しています。昨年は過去20年で最悪の倒産率を更新し、今後さらに倒産率が上昇する可能性もあります。
そこで今回の記事では、就労継続支援A型事業所の倒産している理由や、倒産した事業所の特徴について解説します。

就労継続支援A型とは?


まず、就労継続支援A型事業所について、簡単に説明いたします。
就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が雇用契約を結び、職場で支援を受けながら働くことができるサービスです。

就労継続支援A型は雇用契約を結ぶため、最低賃金額以上の給料が保証されます。また就労継続支援A型事業所での勤務は一般就労とほとんど変わりません。ただ一般就労よりも勤務時間が短い場合が多いです。

仕事内容は、「データ入力」や「車部品の加工」、「カフェやレストランのホールスタッフ」「清掃業務」などがあります。

就労継続支援A型事業所が倒産する理由は?


就労継続支援A型事業所の倒産が続出しているのには理由があります。
ここでは、なぜこれほどまで倒産が続出しているのか解説していきます。

過去20年で最悪の倒産率

東京商工リサーチの「障害者福祉事業 倒産と休廃業・解散調査」によると、2019年に倒産した障害者福祉事業所の数が前年比30.4%増加し、過去20年で最悪の倒産率となりました。2020年は前年比6.6%減となりましたが、2019年に続き2年連続で100件を上回りました。

就労継続支援A型事業への安易な参入

近年、就労継続支援A型事業所が相次いで倒産している理由の1つとして、「就労継続支援A型への安易な参入」という点があげられます。
就労継続支援事業所や就労移行支援事業所は、2013年に施行された「障害者総合支援法」以降、急激に増加しました。特に民間企業による就労継続支援A型の参入が多く目立ちました。中には、利用者と雇用契約を結ぶだけで得られる給付金や補助金で運営をし、労働の実態が見られない質の悪い事業所も増加してしまいました。

2017年に厚労省は、サービスの質が悪い事業所が乱立する状況を問題とみて、利用者への賃金及び工賃を訓練給付費から支払うことを原則禁止としました。そのことによって、事業運営が困難になった事業所が倒産していく事態が発生し、その影響は現在にも見られます。

運営が難しい就労継続支援A型事業所

就労継続支援A型事業所が倒産していくもう1つの理由として、「就労継続支援A型事業所は運営が難しい」という点があげられます。
先でも説明しましたが、就労継続支援A型事業所は利用者と雇用契約を結びます。そのため、最低賃金額以上の給料が発生します。結果、事業所は固定費+人件費以上の売上を続けられなければ赤字です。しかし、A型事業所が安定的な売上を維持していくのは非常に難しいです。
もちろん、売上を維持して計算できる取引先があれば、安定した運営につなげることができますが、すべての事業所に安定した取引先があるわけではありません。そのため、就労継続支援A型事業所の運営は難しく、倒産が続出しているといえます。

倒産した事業所の特徴


障害者が働く全国の共同作業所などで構成する「きょうさんれん」が、全国495の事業所にアンケート実施したところ、2020年4月は47%の作業所が減収となったことがわかりました。これは、定期的に受注できていた取引先からの発注が激減したことや、親会社の経営状況が福祉事業所の運営に影響を及ぼしているということが見られます。
一方、親会社や協力企業などからの定期的な発注がある事業所は、安定した運営を維持できるようです。そういった事業所に対しては、利用希望者も増え、さらに安定した運営を続けることができるでしょう。

つまり倒産した事業所の特徴には、安定して受注できる取引先がなかったという点があげられます。もちろん、その他の理由によって倒産した事業所もあるかもしれません。しかし、コロナ渦などの影響によって不安定な経済状況下では、定期的に受注できる取引先の有無が、運営を続けるうえでもっとも重要なポイントになるといえます。

まとめ


今回の記事では、就労継続支援A型事業所が倒産している理由や、倒産したA型事業所の特徴について解説してきました。
A型事業所は、利用者に対して最低賃金額以上の給料を支払わなければならないため、安定した売上を維持する必要があります。しかし、すべてのA型事業所が、安定した売上を得られるような企業と取引しているわけではありません。特に昨年の新型コロナウイルス感染症拡大によって、多くの企業の経営が危うくなり、その結果A型事業所への発注が激減してしまう現実がありました。
そのため、安定した協力企業がないA型事業所は相次いで倒産することになりました。その傾向は今後も変わることはないと思われます。

なお、就労継続支援A型やさしいあおぞらは、協力企業である株式会社shoichiの物流倉庫内作業を継続で依頼され、安定した運営ができています。
就労継続支援A型事業所の利用を検討されている方は、ぜひ施設見学のお申込みしてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事を書いたのは
山本 美喜/やまもと みき
特定非営利活動法人やさしいあおぞら 理事長
お一人お一人に合わせた支援を提案させていただきます。
まずはぜひ施設見学にお越しください。
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。〒557-0044 大阪府大阪市西成区玉出中2丁目5−14 201
TEL:070-8406-3160

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