就労継続支援A型事業所-スコア方式とは?

スコア方式とは
令和3年4月より障害福祉サービスの報酬改定が実施されました。その結果、多くの事業所が対応に追われることになりました。
就労継続支援A型は、この改定によって導入された「スコア方式」とは、今までとまったく異なる評価方式です。
今回の記事では、就労継続支援A型事業所のスコア方式とは何か、改定の内容やこれからの事業所運営で必要なポイントを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

就労継続支援A型のスコア方式とは?

スコア方式とは
就労継続支援A型のスコア方式とは、ベースとなる労働時間に加えて「生産活動」「多様な働き方」「支援力向上」「地域連携活動」の4つの評価項目が追加された評価の方法です。
以下、詳しく見ていきましょう。

労働時間からスコア方式へ

これまで就労継続支援A型事業所の報酬の基準となっていたのは「時間報酬型」でした。これは、利用者の平均労働時間によって報酬が決まるという基準です。そのため、利用者の1日の労働時間が長ければ長いほど報酬が高くなりました。
しかし最初に説明したとおり、令和3年度より労働時間だけでなく、「生産活動」「多様な働き方」「支援力向上」「地域連携活動」の4つの項目が追加されることになりました。
この4つの評価項目にはそれぞれの評価指導と判定スコアが下記のように設けられています。

評価指導 判定スコア
労働時間 1日の平均労働時間により評価 5点~80点で評価
生産活動 前年度及び前々年度における生産活動収支の状況により評価 5点~40点で評価
多様な働き方 利用者が多様な働き方を実現できる制度の整備状況とその活用実績により評価 0点~35点で評価
支援力向上 職員のキャリアの機会を組織として提供している等、支援力向上に係る取り組み実績により評価 0点~35点で評価
地域連携活動 地元企業と連携した高付加価値の商品開発、施設外就労等により働く場の確保等地域と連携した取組実績により評価 0点~10点で評価

上の表の判定スコアの合計点によって、事業所の運営状況が総合的に評価されます。そのため、各項目のスコアで高い点が出れば、その分高い報酬を得ることができます。逆に判定スコアの合計が低ければ、その分報酬が下がります。スコアの最高点は200点となっています。また下記の通り、スコア合計は60点未満から170点以上の7段階に分かれています。

スコア合計点 基本報酬
170点以上 724単位/日
150点以上170点未満 692単位/日
130点以上150点未満 676単位/日
105点以上130点未満 655単位/日
80点以上105点未満 527単位/日
60点以上80点未満 413単位/日
60点未満 319単位/日

これらのスコア評価には公表義務があります。就労継続支援A型事業所は、最低でも年に1回、運営状況を評価し、公式HPなどで公表しなければなりません。スコア方式の評価が公表されなかった場合は、所定単位の15%が減算されます。

スコア方式のゴールはどこ?

どこの事業所でもスコア方式の最高得点を目指したいところですが、それは難しいという事業所も多いでしょう。しかし最低ライン目指しておきたいゴールラインが存在します。このゴールラインは、合計得点で「105点以上」です。というのは、105点以上と104点以下で128単位も変わってくるからです。これは定員20名の事業所であれば、月で約100万円の経営インパクトになります。

スコア方式の留意点は?

就労継続支援A型のスコア方式の留意点は、実績を公式HPで公表を忘れないという点、そして事実根拠のない記録を残さないようにすることも重要です。
またm令和2年度に実績が確保できない場合は令和3年度を準備期間と捉え、スコア表を踏まえながら事業所作り進めていくことが大切です。

就労継続支援A型のスコア方式のメリット

スコア方式のメリット
就労継続支援A型のスコア方式は導入されたことによって、混乱が生じている事業所もあるようですが、いくつかメリットは存在します。以下、そのメリットについて詳しく解説します。

利用者のメリット

就労継続支援A型のスコア方式は、利用者にとって大きなメリットがあります。
そのメリットとは「事業所を選びやすくなった」という点です。就労継続支援A型事業所は、全国に4000近くあります。これだけ多くの事業所が存在すれば当然、あまり質の良くない事業所もあり、どの事業所を選べば良いのか難しいですよね。
スコア方式は公表が義務化されているため、各事業所のそれぞれの分野の強みや弱み、高い評価や悪い評価などが数値でわかります。その結果スコア方式を参考に、利用者が質の良い事業所を選択しやすくなったといえます。

事業所のメリット

スコア方式による評価表が公表されることで、どこの就労継続支援A型事業所が頑張っているのか、あるいは評価が高いのかがわかります。これは他の事業所と比べた相対的な評価が掴みやすくなる、といったメリットがあります。
また、自分たちの強みや弱みを明確に把握できるようになるため、年度目標などで計画が立てやすくなります。客観的な評価に基づいて目標値を立てられるというのは、事業所の質を高める上で有益です。
そのためスコア方式は事業所にとっても、大きなメリットが生じているといえますね。

就労継続支援A型のスコア方式が導入された理由は?

スコア方式が導入された理由は?
先でも述べた通り、これまでは就労継続支援A型事業所の評価指標は労働時間だけでした。そのため利用者に対して質の良いサービスを提供している事業所と、就労環境が不十分であり質の悪いサービスを提供している事業所との平均労働時間が同じであれば、同列の評価になるというデメリットがありました。このような状況が続けば、質の悪いサービスを提供する事業所の改善につながらず、利用者にとって不利益なままです。
長い間このような状況が続いていましたが、数年前、国が全国のA型事業所に対して、利用者への給料は事業収益から支払うよう省令を出して改正されました。結果、訓練等給付費からの給与支払いが原則禁止なりました。
この省令の改正によって、事業収益が見込めなくなったA型事業所の多くがB型事業所に乗り換えるといった事態生じました。しかし、省令の改正だけではサービスの健全さに結びつかないという理由により、この度の抜本的な報酬改定につながったと考えられます。

今後の求められる支援とは?

今後の求められる支援とは?
スコア方式の導入によって、今後求められる支援となるのは「量より質の支援」といえるでしょう。そもそも就労継続支援A型の支援は非常に難しい点があります。といのは、就労継続支援B型と違い、A型は雇用契約を結んでいるため、一般就労との違いをどこに見出すのかが都道府県によっても違いがあるからです。
そのため行政や地域、事業所によって支援の考え方は異なる点もありますが、共通している支援があるとすれば、きちんと利用者のことを考えて質の高いサービスを提供することです。これまでのように、労働時間という量によってサービスを評価する時代は終わりました。これかは、どのようなサービスを提供しているのか、その質が問われるのだといえるでしょう。

まとめ

スコア方式まとめ
今回の記事では、週継続支援A型のスコア方式について説明してきました。
スコア方式とは、これまでの「平均労働時間」に加えて、「生産活動」「多様な働き方」「支援力向上」「地域連携活動」の4つの評価項目が追加された評価方法です。
この方式が導入されたことにより、利用者には事業所が選びやすくなったというメリットが生まれ、事業所にも明確の目標が立てやすくなった、というメリットが生じています。
スコア方式が導入されたことによって、今後の求められる支援も「量から質へ」変化していくことでしょう。今回の報酬改定によって、多くの事業所が対応に追われたといえますが、今後より一層質の良いサービスを提供する事業所が増えることが期待できると思います。
今回の記事が参考になれば幸いです。

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