就労継続支援A型事業所の大量解雇問題!事業所の選び方などを詳しく解説

サービス事業所選び
2017年に起こった就労継続支援A型事業所による大量解雇問題。全国6か所に事業所を構えていた福祉事業所が閉鎖され、154人の利用者がその被害にあいました。一時的に、ニュースとして話題になりましたが、現在においてもこの問題が根本的に解決したわけではありません。
それでは今後、こうした事態に巻き込まれないためには、どのようなA型事業所を選んだら良いのでしょうか。今回の記事では、就労継続支援A型事業所の大量解雇問題とは何かを説明し、事業所の選び方を詳しく解説します。
就労継続支援A型の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

就労継続支援A型事業所の大量解雇問題とは?

就労継続支援A型事業所の大量解雇問題とは
就労継続支援A型事業所の大量解雇問題とは、2017年夏に全国6ヶ所に事業所を構えていた「株式会社障がい者支援機構」が突然閉鎖され、154人の利用者がいっせい解雇された事例が代表的なものです。
しかしその他にも、就労継続支援A型事業所の閉鎖・大量解雇は続きます。2017年7月末に「一般社団法人あじさいの輪」が事業所を閉鎖し220人の利用者が解雇。その他、「一般社団法人しあわせの庭」が、事業不振で破産を申請。利用者112名を解雇。「フィル」が事業不振で倉敷以外の事業所を2月末、3月に入り倉敷市の3事業所を閉鎖して破産申請し、利用者約170人を解雇。一部報道によれば、2017年度の企業の事業縮小などにともなって解雇された障害者は2,272人で、前年度の1,335人から1.7倍に急増したとされました。
このような前代未聞の事態に関係者以外の人からも関心が集まりました。

就労継続支援A型事業所の大量解雇の原因は?

大量解雇の原因
突然起こった就労継続支援A型事業所の閉鎖と大量解雇。その原因はいったいどこにあったのでしょうか。ここでは、就労継続支援A型事業所の大量解雇の原因について解説します。

就労継続支援A型事業所の急速な増加

就労継続支援A型事業所の大量解雇の原因の1つに、A型事業所の急速な増加があげられます。
就労継続支援A型の制度は2006年に創設されました。その翌年2007年時点では、A型事業所の数は全国148カ所でした。しかしわずか10年足らずでその数は20倍以上に急増。現在は全国4000カ所のA型事業所が存在しています。この数の増加は、株式会社などの参入も認められていることも大きな要因といえます。

その他にも、A型事業所の立ち上げを促すコンサルタント会社の存在も大きく影響しています。というのは、就労継続支援A型事業所の運営に際し、職員の人件費や運営経費をまかなうため、国や自治体から給付されます。その額は障害者1人につき1日およそ5,000円。3年間で最大240万円の助成金を得ることができました。
そういった制度もあったため、「十分に収益を上げられなくても障害者が集まれば給付費で経営できるため問題ない」というような誤った認識が広がり、福祉事業としてではなく、ビジネスとして参入する事業所が増えていきました。
結果、障害者をリクルートして金儲けを考える、といった悪質な事業所が同時に多く増えてしまいました。

給付費で利用者の給料をまかなっていた実態

就労継続支援A型の福祉サービスは、利用者と雇用契約を結びます。そのため、事業所は利用者に対して最低賃金額以上の給料を支払わなければなりません。しかし経営状況が良くない多くの事業所は、最低賃金を支払うことが難しく、「支援費(給付費)で障害者の給料を支払ってはならない」という行政の指導があったものの、給付費で給料をまかなっていました。

このような実態を問題視した厚労省は、2017年に就労継続支援A型の指定の基準を改正しました。改正の結果、利用者への賃金及び工賃を訓練給付費から支払うことを原則禁止になりました。本来給付費とは、障害福祉サービスの運営費や利用者を支援する職員の人件費にあてるべきものとして給付されているため、このような規制の強化が行われました。
その他にも、経営計画や経営改善計画、個別支援計画などの各計画書の整備点提出、収支予算書・作業予定量の積算根拠資料など、さまざまな書類などの提出が義務化されました。

無謀な事業展開を続けたため

就労継続支援A型事業所の大量解雇の原因の根本は、事業者が就労継続支援A型事業を手軽な事業、あるいはビジネスとして捉え、利用者のためになるサービスの質を考えず、その準備もせずに事業を展開した事業所が多かったためだといえます。当然、そのような質の悪い福祉事業所が増えてしまえば、国も規制を図らざるを得ません。その結果、すべてのしわ寄せが利用者に行ってしまうことになったのです。

大量解雇問題から考える事業所の選び方

選び方
就労継続支援A型事業所の大量解雇問題を受けて、利用者の方たちはどのような事業所を選ぶべきでしょうか。以下で詳細を解説していきます。
 

財政状況の確認

まず解雇リスクを避けるための基本的な基準は、A型事業所の財政状況を確認することです。現在は各事業所の財務状況が、各市区町村のWebサイトから公開されており確認できるようになっています。

財務状況を確認するといっても、どの点を注意してみればわかり難いですよね。そのため、最低限確認するべき点は、「売上(高)」と「原価における<労務費・賃金・人件費>」という2つの項目です。この2つを確認して、「原価における<労務費・賃金・人件費>」より「売上(高)」が大きくなっているかが重要です。もしも「売上(高)」が少なければ適正な売上を出せていないことになります。そのような事業所はなるべく選ばない方が良いでしょう。

一般就労への移行の数の確認

考え方は地域や事業所ごとによって異なりますが、そもそも就労継続支援A型事業所とは厚労省によると、「通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して行う雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う」こととされています。

これはつまり、就労継続支援A型事業所の利用者は一般就労を目標として、知識やスキルを身につけることを目的にしているとされています。現実問題として、一般就労に移行させられている事業所の数は少ないです。しかし一般就労への移行した利用者の数がいちじるしく少ない事業所は、その役割を十分果たせていないともいえるため、なるべく避けた方が良いでしょう。

職場の雰囲気や人間関係

就労継続支援A型事業所は全国で4000カ所以上設置されています。そのため、事業所ごとの仕事内容やプログラム、スタッフや施設の雰囲気なども異なります。
まずは自分が求めるプログラムや仕事内容、給料などを明確にした上で、事業所を探すことをおすすめします。
明確にすることが難しくても、ある程度の方向性は検討しておきましょう。また、事業所と契約を結び就労が始まれば、多くに時間を職場で過ごすことになります。そのため、他に働いている利用者の方やスタッフの雰囲気、相性などが重要になります。必ず事業所を見学して確認するようにしましょう。

まとめ

選び方まとめ
今回の記事では、就労継続支援A型事業所の大量解雇問題について紹介し、サービス事業所の選び方を解説してきました。
A型事業所の大量解雇問題は、安易な考えによってビジネス化したことによって起こってしまった事態です。そのため就労継続支援A型事業所が質に関係なく増加してしまい、そこで雇用されていた利用者の方々が解雇という被害を受けることになりました。つまり、「質の悪い事業所が乱立した」ため、「国が規制を強化した」結果、大量解雇という問題に発展したといえます。

そのため、きちんとした財務状況である事業所を選択することが大切です。今後はスコア方式による評価表も公表することが義務付けられています。事業所を選択する前に、これらの情報を必ず確認するようにしましょう。また、事業所を選ぶ際には、必ず見学をして職場やスタッフの雰囲気なども確認し、後悔することがないように検討しましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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