6月定例県議会 北山早苗一般質問
24.
2008
あおぞらの北山早苗です。
1.県出資外郭団体『改革基本方針」の改訂と職員の再就職について
「県出資外郭団体」のあり方や県の関与について、田中前県政時に行われた見直しの、見直しが行われ、今年1月に発表されました。
また、4月には本庁課長級以上で退職した職員の再就職先が公表されました。
そこで、総務部長にお尋ねします。見直しの、見直しが行われた「県出資外郭団体」に再就職した職員は、何処に何名いますか。見直しは、職員の就職先の確保という意味もあるのでしょうか。
2、森林整備について
次に、平成19年度の間伐予定に対する実績と、そのことへのご見解を、林務部長にお尋ねします。
(総務部長答弁)県では平成16年度に外郭団体の「改革基本方針」を策定した。その後、平成20年1月に、45団体を対象に見直しを行い、15団体について改訂した。
この15団体の方針改定後の新たな県職員の再就職者は、公表を行っている部課長職員では、長野県信用保証協会と長野県テクノ財団に各2名ずつ、長野県中小企業振興センター、長野県道路公社、長野県農業開発公社、長野県消防協会に各1名の、6団体8名。
改訂は、県民負担を最小限にしながら必要な施策に取組むことを主眼に実施したもので、指摘されるような観点で行ったものではない。
(林務部長答弁)平成19年の間伐実績は計画18000haに対して、17123haで、計画比95.1%となり、概ね順調だと考える。
里山の集落周辺では、所有形態が零細、複雑で森林整備に対する意欲が低く、同意が得られなかった森林が多く見受けられたと感じる。
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総務部長にお尋ねします。見直しの、見直しが行われた「県出資外郭団体」に再就職した職員は、6団体8名とのこと。県民の就職、賃金、暮らしが厳しくなって来ている折、天下りについては、県民から厳しい目が向けられています。天下り先の確保のために「外郭団体」の見直しの見直しを行ったなどと、思われないようにするべきです。県の紹介はやめるなど、再就職のルールをつくるべきと思いますが、いかがでしょう。
林務部には、間伐面積を増やしたいと森林税を提案しながら、一方で予定面積の間伐が実施できなかったことを、猛反省していただきたい。林務部長に、森林税をいただく以上、県民からより厳しい目で見られていることをご認識いただき、昨年度の反省の上に立った、今年度の森林整備ついての決意をお尋ねします。
(総務部長答弁)平成14年4月に県職員の再就職の適正化を図るために「退職職員の再就職に関する取扱要領」を定めている。県の事務・事業と密接な関係を有する公社・公団等から要請があった場合に、退職者を紹介することを定めており、求められる人材の活用に務めるとともに、部課長以上については再就職先を公表している。
(林務部長答弁)森林づくり県民税によって、これまで森林整備が進まなかった里山を中心に整備するなど、本年度の計画面積20000haの達成に向けて取組む。
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3、長野県の減災対策について
知事は、議案説明冒頭で「岩手・宮城内陸地震」に触れ、「長野県におきましても震源域と同様の山間地を抱えており…」と話されました。 そこで、長野県の減災対策についてうかがいます。
まず、土砂災害の防止について、建設部長にお尋ねします。
6月4日に松本で『土砂災害防止推進の集い・全国大会』がありました。砂防堰堤などハード施設の必要性を述べる一方で、今後の進め方として、多くの土砂災害危険箇所を抱えていることと、ハード対策には多額の費用と長い時間を要することから、ソフト対策の重要性が叫ばれているとありました。
現状の砂防施設の充実度からして、ハード優先の考え方だけでは土砂災害は防げません。それは、100年以上膨大な費用と時間を費やしてきたにもかかわらず、砂防施設の平均整備率は20%と一向に上がっておらず、またハードを入れたとしても、現在の砂防工学では何時、何処でどれくらいの土砂が流出してくるか、想定できないからです。国でもハードに頼れない現状から、国民の生命・財産を土砂災害から守るために、土砂災害防止法を制定しました。
このような流れの中で長野県の土砂災害対策についてどう評価し、今後の減災対策にどのように生かして行くつもりか、お尋ねします。
併せて、大町建設事務所管内の乳川にある白沢砂防堰堤では、既存の堰堤にスリットを入れる試みが始まっています。スリット化の目的と経過、これまでにわかったことや評価、今後のスリット化事業の予定について、お尋ねします。
(建設部長答弁)県内の土砂災害危険箇所数は16000で、全国で12位。砂防工事によって整備された箇所の整備率は約20%に留まっている。
整備が進まない実態を踏まえ、土砂災害防止法により県内各地で土砂災害の恐れがある区域の指定を進めていて、これまでに約8000カ所で指定を行い、警戒避難体制の整備や新たな開発の抑制につながることを期待している。
昨年から大雨時に土砂災害の危険性が特に予想される場合、警戒情報を発令するなど、ソフト対策を実施している。
しかし、ソフト対策は効果が人名の保全に限られるため、貴重な資産の保全には結びつかず、やはりハード対策が必要だ。
財政状況も厳しく、工事箇所の優先順位を厳選し、コスト縮減に務めながらハード対策を進め、ソフト対策も平行して促進して行く。
既存堰堤のスリット化について、乳川は対象とする流域面積が広く、予想される流出土砂量も非常に大きい渓流で、新たな砂防堰堤を設置する場所は限られているため、既存の白沢砂防堰堤のスリット化を検討した結果、流出土砂量を一時的に捕捉する効果が大きくなり、土砂整備効果が増加できるものと判断し、試験的にH18年より実施している。
スリット化により、堰堤上部流の河床が広がり、上流の堆積物で崩壊が起こらぬよう、段階的に施工している。現在は天板から3mの位置までスリット化し、経過観測している。効果や評価は今後の状況を見ながら検証して行く。
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建設部長に再度お尋ねします。平成18年7月の豪雨災害で、塩嶺病院や老人ホームが砂防堰堤があったために助かったとして、ハードの必要性を訴えるためのPR用に繰り返し紹介されています。しかし、この事例の場合、新設堰堤で空であったこと、流出土砂量が他の被災を受けた沢と比べかなり少なかったために、流出量と調節量がたまたま見合っていただけです。もっと沢山の土砂が出たなら、災害が起きていたことも考えられます。従って、この事例をもって、砂防ダムさえあれば、災害が防げるかのように取り上げるのは、不適切と思われます。
また、公共施設がなく一般住居のみがあるところでは、大災害がない限り砂防ダムはほぼ造られないのが現状ではないでしょうか。岡谷の場合も、今後の防災を考える時、確率的にはむしろ災害が起こらなかった場所の方が、災害の可能性が高まるはずです。ハード事業を推進すれば、安全が保てると、県民に幻想を抱かせるような表現は避けるべきと思われますが如何でしょう。
(建設部長答弁)現実的に岡谷の例は効果があって塩嶺病院を守ったわけで、砂防ダムは色々な効果・目的がある。例えば渓流には砂防ダムを設置することで河床勾配を緩やかにして、横浸食を防ぐなど多様な効果がある。すべての災害を砂防ダムで守るわけにはいかないが、減災という意味では効果を発揮しているゆえ、これからもハード対策は適切に実施して行きたい。
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長野県には土砂災害の危険渓流が6000以上あると言われていますが、この全ての渓流に有効な砂防施設を入れることは不可能という前提に立ち、土地利用の規制及び移転など、もっと踏み込んだ対策を行うべきではないかと思われます。この点をふまえて、建設部長に、県としての考えをお尋ねします。
また、既存ダムのスリット化ですが、1基のスリット化により、土砂調節量を大幅に増やすことができるので、何基ものクローズ型ダムの新設に等しい効果が得られ、環境を壊す新規のダム建設よりは環境面、財政面、防災効率を上げるなどの優れた効果が期待出来ます。新たにつくるよりも、既存ダムのスリット化により、節約したお金を学校の耐震化や福祉、医療にも回せます。
過日、国交省の飯豊砂防事務所管内で進められて来た既存砂防ダムのスリット化の調査に行ってきましたが、スリット化による土砂調節機能向上への効果は実証済みです。
ぜひ、長野県でも、財政の厳しい中で、もっと積極的に既存砂防ダムのスリット化に、取組んでいただきたいと思います。
また、スリット化についての過程や効果を公開しながら進め、他の地域でも参考になるようにしていただきたいと思います。
建設部長のご所見をお願いします。
(建設部長答弁)土砂災害対策を効果的に実施するために、従来より推進しているハード対策についてこれまで以上に効率化を図り、整備率向上に努める。加えて、ソフト対策については、住宅分譲地等の立地規制や、警戒避難態勢の整備を行うことを柱とし、区域指定を進めている。中でも土砂災害危険区域内の危険住宅については、災害危険住宅移転事業により、移転支援している。
しかし、規制や移転を現行以上に踏み込んで行うことは、住民の権利を縛ることになり、慎重な検討が必要だ。まずは、土砂災害危防止法に基づき、警戒区域指定を促進し、住民理解を深め、法に基づく瀬策を着実に進めて行くことが責務と考える。
既存砂防堰堤のスリット化は流出土砂の調整効果が向上する他、水生生物の移動が妨げられないなどのメリットがある。
一方、堰堤上流部の渓岸、渓床の浸食防止効果の減少、減水期には堰堤下流の河床が上昇するなどのデメリットがある。
また、既存堰堤の補強や体積土砂の除去など、経費面からも慎重に検討する必要がある。有効と判断される場合は、スリット化を進める。
現地状況等により、可能なものは情報提供する。
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知事にお尋ねします。
「岩手・宮城内陸地震」では、山中で、長さ1、2km、幅800m、高さ150mもの国内最大の大崩落と地滑りが起きました。崩れた土砂の量は7000万立方メートルと御岳崩壊の2倍の量と言われています。
大崩落の原因は、地震以外にも、幾つかの原因が重なって起きたと言われています。ます、ここが、もろい火山灰が積み重なっている地質であること、一見固そうな岩の中にも熱水変質が見られ、大変崩れやすいものであったこと、雪解け水を含んでいたこと、そして、もう一つには、大崩壊が荒砥沢ダム湖に面している所から始まり、ダムにより地下水位が上がっていたことが大崩壊の原因になっていると、NHKなどで学者が言っていました。
そこで、知事は、ダムと地滑りなどの土砂崩落について、どのようにお考えでしょうか。また、大きなせき止め湖をつくった善光寺地震など似たような災害履歴を持つ長野県としては、今回のような大崩落から学ぶべきことはないでしょうか。
(知事答弁)震災が起こってからまだ間もなく、因果関係等についてはこれから調査が行われ、その上で判断されることと考える。NHKで紹介された学者の見解は一つの説、私の立場からコメントできない。
中山間地の大規模な土砂災害は、第1に同時多発的に発生、第2に被害が大規模で、人命に関わる、第3に河道閉塞の決壊等、2時災害の恐れがある。
土砂災害への対応としては、初動対応が重要で、今回は、国交省が今年度創設した緊急災害対策派遣隊が派遣され、早期の対策が行われた。長野県に於いても、国交省との災害時の相互協力を締結しており、このような対応が可能。今後も一層緊密な連携体制を組み備えることが、災害の影響を減らす減災への適切な取り組みだと考える。
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知事に再度お尋ねします。
知事もご存知の通り、浅川ダム予定地は、火山灰が固まったもろい凝灰岩と大量の熱水変質が分布する地質で、「岩手・宮城内陸地震」による大崩壊地と大きな共通点があります。
違う点を挙げると、「岩手・宮城内陸地震」は未知の活断層が動いたと言われていますが、浅川ダム予定地近くには長野盆地西縁断層帯という明らかな活断層があります。更に、今回の大崩壊地は市街地から離れていますが、長野市街地は浅川ダム地点のすぐ近くです。そういう意味では、「岩手・宮城内陸地震」の土砂災害地域より、ずっと問題が深刻と言えるのではないでしょうか?
そこで、今回の「岩手・宮城内陸地震」を教訓として、浅川ダム事業を一旦中止し、再度地質面・地形面での調査をすべきと思われます。ただ今、岩手・宮城内陸地震での崩壊の因果関係はこれからとおっしゃいました。それならなおさら、その調査結果が出るまで、せめて浅川ダム建設は一旦中止すべきと思います。知事のご所見をお伺いしたいと思います。
(知事答弁)専門家の間で相当詳細な検討がなされた結果を踏まえて判断したことで、現在進めていることをきちんと進める。
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4、奈良井川水系の治水対策と上高地線の橋の架け替えについて
ただ今、専門家の間でよく検討されたと仰っているのですけれど、例えば、ダムを横切る断層を調査不足のまま1.6kmと判定して、短いから活断層ではない言い切っているのですけれど、とても非合理的です。
災害はいくつかの原因が重なって起きるわけですから、最悪のシナリオを想定した時に、やはり浅川ダム建設は考え直すべきです。
私は何度もここで言っていますが、浅川ダムを造るお金があるのなら、内水対策や千曲川による災害対策に力を入れるべきだし、浅川中流域よりずっと深刻な水害が想定されている松本市街地の治水対策に力を入れていただきたい。
そこで、最後に、アルピコ問題で地域の足である上高地線の橋の架け替えが取りざたされていますが、県として、橋の架け替えを進める治水対策の一環として、上高地線の橋の架け替えを支援していただけないか、知事にお尋ねします。
(知事答弁)奈良井川と田川の松本電鉄上高地線の橋梁は、大正9年に建設された大変古い橋だ。一方、奈良井川、田川の河川改修は、川底を掘り下げて断面を広げる工法を採用しており、改修には道路や鉄道の橋の架け替えが多々生じる可能性がある。その場合は、施設管理者である市や松本電鉄からの一部費用負担を受けながら、計画的に架け替えを実施するという手順になる。
上高地線は、川底の掘り下げにより、橋脚の根入れが不足するなど河川工事に際しては架け替えが必要になる。河川工事と同時期に上高地線の橋梁の架け替えをやることになれば、それぞれが適切に費用負担して実施することになると理解する。
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