掲載:2010/3/15
「平成22年度長野県一般会計予算案」に反対討論
あおぞらの北山早苗です。1号「平成22年度長野県一般会計予算案」に反対です。
まず、私の一般質問「本来は、税収の範囲内で仕事をするのが、県の会計の最終責任者としての知事の役目であり、1年間で3万円以上も、県民一人当たりの『将来の税金』を増加させた知事ご自身は、税を運用する能力があるとお考えでしょうか。」という質問に対して、村井知事は、「税収の範囲内での仕事とか、将来の税金とか言うが、仮に当該年度の県税収入だけで仕事をせよというのであるなら、平成22年度の県税収入見込み1801億円で、8615億円規模の予算をいったいどう賄うのか」と答えました。
誰がお答えを書き、知事が読まれたのか分かりませんが、本当に役人らしい答えだと思いました。税収を県税のみと解釈されていますが、県税や交付税、その他の収入などあわせて税収と言える訳で、私は2日も前にかなり詳しく質問通告し、長野県知事のバランスシートもお渡し、「内容でご不明なことがあればお尋ね下さい」とも言っているのですから、あらかじめ確認下さっても良いものを、本当に役人特有の自分に都合の良い解釈をされるものだと思いました。
税を扱う能力がある首長は、県税や交付税、その他の収入などあわせた税収の範囲内で行政を運営するので、今後、納税者に求める負担である『将来の税金』を就任時に比べて減らします。ところが、税を扱う能力のない首長は、将来の税金を増やします。今回の村井知事の提案された22年度予算も『将来の税金』を増やす予算案であり、認めるわけにはいきません。
また、私の一般質問に対するお答えの中で、知事は、「前知事が県の借金を減らしたとしきりに言うが、現実にやったことは、県の基金を減らしガス事業などの試算を売り払って使ってしまった。なすべき仕事をせず、貯金に手を付け、家財を売り払い借金を減らすことが、どれほど利益があるのか」ともおっしゃいました。
ところで、長野県知事のバランスシートというのは、そこに現れた数値を見ると客観的にいろいろとわかるものでして、全県政時における平成14年度から18年度の間の「基金や流動資産などの資産合計の変化」を計算すると、県民一人当たり15698円減りました。これに、村井知事のおっしゃるガス事業を売り払い使ってしまった分、県民一人当たり2368円を加えると、18066円を減らたことになります。
ところが、将来の税金は同時期に26420円減らしています。つまり、前県政は資産も18066円減らしましたが、将来の税金はそれを上回る26420円減らしたため、県民の将来の負担を減らしたとは言え、資産の減少は最小限に抑えた良い財政運営をしたということが、客観的数値として示されるわけで、村井知事のお答えは誤りです。
しかも、村井知事は、臨時財政対策債の発行のせいにして県債残高の増加はやむを得ないとしていますが、県民にしてみれば、将来の税金で払わなければならない借金であることには変わりなく、村井知事が真剣に県債残高を減らす気があるのなら、通常債である建設債を減らす努力をするべきです。その第一が、有害無益な浅川ダム建設をやめることであるにもかかわらず、これが為すべき仕事として計上されるような予算を認めることはできません。
日曜日の朝日新聞によれば、国や地方あわせた公的債務残高は946兆円に上り、GDP国民総生産の1・97倍で、先進国の中で際立って大きいとのこと。国民1人あたり750万円もの借金を背負っていることになります。その借金の財源は国民の預貯金総額です。ところが、IMF国際通貨基金の試算によれば、このまま行けば、2019年には公的債務残高が国民の預貯総額金1400兆円を上回るそうで、つまり、日本は、あと10年以内に破綻するかもしれないとのことです。
更に深刻なのが、日本では世代間格差が極めて大きいということです。秋田大学準教授の島澤論(まなぶ)氏によれば、世代間不均衡の国際比較では、カナダを0とすると、タイは−88、先進国は総じてプラスですが、日本は世界一の521・9で、2番目に大きいイタリアの131・8を大きく上回っていて、日本の世代間不均衡がいかにに大きいかが分かります。
また、学習院大学の鈴木亘教授の「社会保証の世代別損得計算」によれば、1940年生まれの世代では一人当たり4850万円の受け取り超過に対して、2005年生まれの世代では、3490万円の受け取り損で、1940年生まれと2005年生まれの社会保障の生涯受給額の差はなんと、8340万円になるそうで、こんなにも世代間の格差があるのが、日本の現実なのです。
ダムも、道路も新しいものを造る余裕など、私たちにはないのです。どうか、議員や職員の皆さんにも、このことを真剣に考えていただき、県民には事実を知らせ、一番に守るべきものは何なのかをはっきりと示した予算にし、県民に説明し理解していただくべきなのではないでしょうか。私が一番に守るべきと考えるのは、将来の世代にツケを回さぬことです。残念ながら、将来の税金を増加させる村井知事の姿勢にそれを見ることができず、その知事がつくられた22年度の予算案には、到底賛成することはできないと申し上げ、反対の討論といたします。









