掲載:2009/3/16

2月県議会 一般質問

あおぞらの北山早苗です。

1、来年度予算と中期見財政見通し、県債残高について

 来年度予算案では、臨時財政対策債、いわゆる赤字地方債が、国の地方財政計画の財源不足が10兆円を超えたことから倍増し、県債の発行総額を増加させるため、前県政から減らして来た県債残高が再び増えるとのことです。また、今年度の決算見込みで、すでに県債残高が昨年度比で52億円増加、これは、税収不足による減収補填債の発行や、1月の緊急経済対策における県債の増額発行のためです。

 県債残高が今後も増えることについて、県は、「投資的経費を同額とすれば、通常債、つまり建設地方債の残高は減っていく」と、つじつま合わせのような説明をしています。

 ところが、平成25年度までの財政見通しでは、公債費は年々増加し、一般財源の使途が圧迫されていく状況がみてとれます。残高もさることならが、公債費負担を減らす方向を目指すことが必要ではないでしょうか。

 更に、歳入のうち一般財源を一定と見なしているのは甘い見通しではないでしょうか。総務部長にお尋ねします。

(総務部長)過去に借り入れた県債の発行額あるいは借入金の金利などによって決まってくるため、直ちに軽減をするということは難しい。可能な範囲で公債費負担の軽減を目的に、平成19年度から繰り上げ償還して、低利な金利へ借り換えている。軽減の効果策として16億円を見込んでいる。

 今後も市場から低利な資金を確保するなど、公債費負担の軽減を図っていきたい。

 また、中期財政試算はあくまでも機械的なもの。仮に県税収入が減少していくと見込んだとしても、地方交付税や、地方譲与税、地方特例交付金等で補完される、地方の財源保障機能が働くという考え方に基づく。

 前提を変更するために、蓋然性の赤いものを県独自に定めるということは、大変難しい。

 地方交付税の増額、地方消費税の充実など、必要な一般財源の確保を国に対して強く要望している。

 再度部長にお尋ねしますが、税収を、国の経済見通しのゼロ%に準拠し、試算しているようですが、昨年下四半期のGDPが年率換算でマイナス12.7%となったことからいえば、あまりにも楽観的、現実を見ていない無謀な前提です。今回の交付税総額15.8兆円は、あくまで景気対策の1兆円増額という臨時措置によるもので、少なくとも2年後にこの金額が確保されるという見込みはありません。部長は、機械的に算出しているものだというお答えですが、そういう点も考慮するべきです。

 こうした歳入の甘い見通しのなかで、起債をともなう投資的経費の規模を維持するというのは、将来の財政危機を招く可能性を高めるものと考えられます。如何でしょう。

(総務部長)中期財政試算の試算の考え方で、実質的な一般財源を同額と仮定と言っている。意図が入っての試算ではない。

 投資的経費の削減については、高校や特別支援学校など県有施設の改築・耐震化、県営住宅の建て替え、介護福祉施設や公的病院整備への助成など、県民生活に必要な施設整備のほか、県民の暮らしや生活を支える道路、橋梁の維持修繕、河川の改修、森林整備などに用いられる経費だ。

 長野県の将来も見据え、安全・安心、発展のために欠かすことが出来ない事業に要する経費だ。

 最近の経済状況に対応して、生活に密着した社会資本整備をして、県内の需要を喚起し、雇用を維持していく狙いもあり、単純に投資的経費を削減せよという話は受け入れることは出来ない。

 知事にお尋ねします。知事としては、抑制されてきた公共投資を景気対策に乗じて取り戻したいという意欲があるのかもしれませんが、世界同時不況のなかでは、政策評価や入札改革などに真剣に取り組んで、選択と集中のなかで、投資的経費を押さえる方向で事業を行うべきと思いますが、いかがでしょう。

 また、臨時財政対策債は地方を借金まみれにする危険性をはらんでいます。交付税措置というのは、基準財政需要額への算入という意味であり、需要額の総額が削減されれば算入分は相殺され、結局過大な借金を抱えてしまうことになります。

 今後の国の地方財政対策がどのようになっていくかは予想がつきませんが、少なくとも1990年代までの右肩上がりの拡大指向はあり得ません。景気対策による一時的な拡大があったとしても、基本的には抑制基調となることが冷静な判断ではないでしょうか。であるならば、後年度の交付税措置を期待した、むやみな臨時財政対策債の発行は、慎重になるべきではないでしょうか。

(知事)長野県の財政の安定のために、大変大切な費目ばかりで、かなり削っての話でもあり、県内の需要を生み出し、雇用を換気すると言う意味でも大変意味のある投資だ。

 臨時財政対策債というのは、国の方針によって地方交付税の代わりにやむを得ず発行するものであり、後年度に全額交付税措置されるということで積極的に発行しているわけではない。

 発行を抑制、または発行しないとすれば、基金を取り崩すことになり、県の財政状況では不可能。臨時財政対策債の発行額が増えるのはやむを得ない。

 臨時財政対策債の増発をこのまま続けていくと、その元利償還金で基準財政需要額の多くを占めてしまい、田の需要額が減らされてしまうのではないかというところは、確かに指摘の通りだと思う。だからこそ、財源不足を、過度に記載に頼るという状態が続けば、基準財政需要額の公債費が増大して、地方交付税の財源がこれに対応しきれなくなる。そして、更に財源不足が拡大して地方交付税制度自体が硬直的になることは、当然想定されること。だから、ずっと国に対して、地方財政が持続可能にあり続けるための制度をきちんと確立してくれと言っている。それは、多分地方消費税の充実等々の手段になるということだ。 

 再度知事にお尋ねしますが、一般財源不足でどうしてもやむを得ないというのであれば、建設地方債の発行を抑制し、県債発行額全体を見渡してコントロールし、県債残高を減らすべきではないでしょうか。

(知事)必要不可欠な事業について、今回の予算に提起申し上げていると信じている。

 知事の当初の約束通り、県債残高を増やさないことを守っていただくよう、まず、強く要望しておきます。

2、公共事業の客観的評価による見直しと優先順位付けについて

 建設部長に伺います。

 公共事業等評価監視委員会などにより評価を行っているものの、厳しい経済状況と財政運営の中で、全ての事業の必要性を、命に係わるような事業以外は先送りするぐらいのつもりで、更に見直す必要があるのではないでしょうか。

 具体的に1つ指摘をすれば、橋梁については、H14 年度から全ての橋梁を点検し、昨年発表した長寿命化修繕計画によって、優先順位を定めて修繕が計画的に行われることになりましたが、治水対策ではそのような取組みがなされていません、何故ですか。

(建設部長)建設部が所管している事業は全て県民の生命や生活に直結する事業であり、必要性の高い事業を厳選しており、長野県公共事業評価制度で優先度の評価を行った上で実施している。

 河川において16の県営ダム、水門、排水機場という県管理の構造物は、必要に応じた修繕を行っている。護岸については、河川ごとに形態や出水状況が異なることから、優先順位付けはできないため、痛んだ箇所から順次補修している。

 滋賀県では、優先順位を決めて治水対策を行っています。

 国交省が進めてきた基本高水による従来の治水対策では、今直面する問題を解決できないとして、当面の整備目標を流域面積が50平方キロ未満の河川は概ね1/10の治水安全度、50平方キロ以上の河川は戦後最大規模の洪水を防ぐことを目標に、超過洪水の際にも命を落とさないようにすることをまず第1の目的にし、18の指標を決めて、治水の重要性や緊急度を検討し、A〜Dの4ランクに分け、Aランク河川からまず整備をしていくこと、また破堤などを防ぐために、堤防の強化などが必要な河川をTランク河川として重点的に整備していくことを決めました。

 更に、住民の水防に対する意識を高め、地域に残る水防施設を保存するなど、ソフト対策も住民と共同で行うこととし、また、土地利用規制までに踏み込み、条例で水害常習箇所への建築制限も進めようとしています。

 このような滋賀県で行っている治水対策の優先順位づけは、長野県でもぜひ行うべきだと思いますが、建設部長、いかがでしょう。

(建設部長)県内各地様々であるため、滋賀県のように一律な基準のもとで全ての河川の優先順位付けは困難。

 本県では、河川整備計画の策定にあたり、河川改修の状況、水害発生の状況、沿川の土地利用状況をもとに、圏域ごとに優先的に整備を行う河川を決定している。

 知事にお尋ねします。長野県で滋賀県のような治水対策の優先順位づけを行うと、今の村井県政の治水対策では、つじつまが合わなくなるのではないですか。浅川ダム建設は緊急性があると言っていますが、滋賀モデルを当てはめれば、ダム建設の目的である浅川中流域は、実際は戦後水害被害がなく、天井川も解消され堀込み河川になっているため、ダムには緊急性がないことになります。

 予算案に本体工事分17億円が盛られている浅川ダムは一旦中止し、県全体の河川整備の優先順位という観点から、ぜひ、滋賀モデルを参考に見直すべきではないでしょうか。

(知事)浅川ダムは地域住民の生命・財産を守る重要な事業であり、着実に進めるべきものだ。

 再度知事にお尋ねします。滋賀県では、ランク付けをするにあたり、県管理だけでなく、国、市町村の管理する河川、2m幅以上の用水路について、内水も考慮した氾濫解析調査を行いました。長野県では、国・県・市町村と縦割りの治水対策が行われていますが、水害時の水の流れに区分はなく、どのように溢れるかを知るためには、全ての河川を一括した水害危険度の調査と総合的な治水対策が必要なはずです。

 また、調査は市町村からも大変歓迎され、費用は、2004年の豪雨災害後に国が行い県に提供された「レーザー航空測量」を基に行ったため、従来の1/20ほど、1億円で済みました。滋賀県を見習っていただけませんか。

(知事)滋賀県と長野県は状況が全然違う。特段それを参考にしなければならない理由は毛頭ない。十分に丁寧に議論をして来たつもりだ。

 しっかりとした調査に基づいた治水対策をお願いしたいと思います。ぜひ、滋賀モデルを研究してください。

3、廃棄物問題について

 今月から廃棄物条例が施行されました。そこで、環境部長にお尋ねします。安曇野市三郷で建築解体廃材等の粉砕を行っている会社の産廃処分業の更新を、県は昨年10月に許可しました。周辺住民は、粉塵・騒音・悪臭公害に悩まされて続けています。県の指導で少し良くなっても、しばらく経てばまたひどくなる繰り返しです。県はなぜ、「更新許可」をしたのでしょう。また、県は「周辺環境調査」を行ったとのことですが、結果について、県はどう考えていますか。

(環境部長)慎重に審査を行い廃棄物処理法の許可基準に適合していると判断し、昨年10月14日に許可処分を行った。

 周辺の木屑粉塵の飛散、騒音、臭気については、昨年8月5日から10月10日までの39日間に渡り、松本地方事務所と廃棄物監視指導課の職員が現地に通い、事業者の敷地周辺5カ所において交代で駐在して、発生状況を調査して来た。その結果、許可の基準に適合していると判断した。

 部長、調査が抜き打ちではない、作業時間の把握だけで、作業量は把握していないなど、方法に問題があり、結果に住民は納得していません。再度、調査結果についてどう考えるのかお尋ねします。

(環境部長)相手の了解を取って調査を行っているものではない。長期間にわたり職員がずっと張り付いて調査を行って来たものだ。時間についても、事業を行っている朝から夕方の間、ほぼ作業時間に相当する間、現地に張り付いてやっている。騒音についても、臭気についても同様。業者の都合の良い時に調査をしているということは決してない。

 成立しなかった旧廃棄物条例案には、自分たちの地域を守ろうとする住民と県が費用を出し合って行う『環境モニタリング制度』を始めとする、住民主体で問題を解決するための制度が盛り込まれていました。しかし、現在の条例では、すっかり削られました。

 あらためて、住民主体で調査が出来る制度をつくるべきないでしょうか。環境部長にお尋ねします。

(環境部長)廃棄物処理施設等に関する環境調査については、住民からの苦情に基づく立入検査や環境調査を行い、県民の皆様の不安解消に努めている。

 条例においては、事業者に環境保全協定の締結努力義務を課し、県も指導するということにしており、環境保全協定によって周辺環境の調査を実施することも可能だ。

 改めて類似の制度を構築することは考えていない。

部長、先ほども言いましたが、調査が抜き打ちではない、作業時間の把握だけで、作業量は把握していないなど、方法に問題があり、住民は調査を信用していません。

 平成17年に環境省から出された行政処分の指針には、「指導を繰り返してはいけない。生活環境の保全上支障が生じ、又は、生ずる恐れがあると認められるときは、必要な措置を講じるよう命令し、従わなければ処分するように」と書かれ、更に、「恐れ」がある状態とは、「通常、人をして支障の生ずる恐れがあると思わせるに相当な状態をもって足りる」と書かれています。これを裁判の判例では「人格権が侵害されている状態」と言っています。

 周辺住民の、洗濯物を外に干せず、草むしりをするのにマスクと眼鏡というのは、まさにこの状態にあたるのではないでしょうか。

(環境部長)現地に職員がずっと張り付いてやっている中で、マスクをしなければ草刈りが出来ないという状態は確認していない。そういう事実はない。

 聞いていると、県は業者を守る機関のように思えます。ここで、知事に見解を求めます。違うと言うなら、調査が住民主体で出来る制度を、県は条例に加えるべきではないでしょうか。

(知事)住民が独自に調査をする制度を作るという話と、環境部長が「そのような実態を把握していない」ということと、どういうふうに繋がって、そのような制度を用意しなければならないのか、理解できない。県として実態をそのように把握していないと答えた。

 先ほども申し上げたように、調査が抜き打ちではない、作業時間の把握だけで、作業量は把握していないなど、方法に問題があり、住民がまったく調査について信用していないから、申し上げています。

 次ぎに、昨年質問した松本市中山のゴミの山問題について、環境部長に伺います。県は『警告書』を出し、廃材を減らすよう指導したそうですが、瓦礫と粉砕物をあわせた総量は減っていますか。粉砕物を運び出さない限り、減らないのではないですか。

(環境部長)警告書を昨年12月に地方事務所長名で出し、適正な保管量まで減量を指示している。事業者からは、本年2月末を期限とする改善計画書が提出され、この計画による改善作業が行われて来た。

 その結果、事業場外から見えていた廃棄物の山がかなり低くなるなど、一定の改善結果が認められる状況となっているが、総量については今後現地調査をする中で具体的な改善状況を検証していく。

 部長に再度伺います。ゴミの山は、周囲に広がって、高さが多少低くなっているようにしか見えません。

 条例施行で保管規則が強化されるため、基準以下にまで減らすよう指導したとのことですが、これは『瓦礫』の山が砕かれて『リサイクル品』になれば、基準をクリアするという意味ですか。

(環境部長)私もこの土曜日に現場を見て来た。現地から報告をもらっていた時系列的な写真と比べてまた更に減っている。児童公園から見た9月県議会で議員がパネルで示された写真と同じ場所で見ているが、あの高さからはかなり減って、塀の高さまで確認して来た。

 ただ、実際的な数量については、現地調査をしてしっかり把握していきたい。

 私が聞いたのは、『瓦礫』の山が砕かれて『リサイクル品』になれば、基準をクリアするという意味かどうかということです。そのことをご答弁いただきたいと思います。

(環境部長)この案件が問題になっているのは、保管量に対する基準違反ということで処理している。ただ単に破砕をしただけで外に運び出されないということであれば、数量的に減っていることにはならないが、実際には目視、及び実際の数量の把握を今後もしていく。

 住民から「運び入れるトラックは相変わらず多いが、運び出すトラックは殆どない」「粉砕時の騒音や粉塵のことを、県は一体どう考えているのか」と疑問の声を聞いています。県の指導で瓦礫から粉砕物に形が変わっても、ゴミはゴミです。これで基準をクリアしたと許すのでは、条例があっても何の役に立たず、つじつま合わせの粉砕でよけい公害が増すだけです。

 そこで、先ほど言った『環境省の指針』を遵守していただきたいのです。「人格権が侵害されるような状態を、指導を繰り返すことで、更に悪化させてはいけない、躊躇することなく措置命令を下し、従わなければ処分せよ」ということです。指針の遵守について、知事のご所見をお願いします。

(知事)廃棄物の不適正処理案については、事案の背景や緊急性、悪質性、生活環境保全上の支障を調査した上で、行政指導あるいは行政処分を行う。

 廃棄物処理法等の規定に基づき、厳しい姿勢で臨み、県として適せな処分を行うことは当然のことだ。

 くれぐれも、条例を法の抜け道にしないように、願います。

4、人件費削減について

 最後に、人件費の削減について知事に伺います。

 県民の皆さんから「民間では収入が減ればボーナスも減るか出ない。県税収入が減っているのに公務員だけそのままと言うのはおかしい」という声があります。

 島田議員の質問に対する知事のお答えでは、今直面する経済悪化や県税収入不足の状況を考慮したものになっていません。また、特別職の報酬は、実質的にはアップしています。

 県立専門学校の授業料や福祉医療費・自己負担金の値上げなど、県民に負担を求める前に、自らが身を削るべきです。まず、議員をはじめとする特別職と部課長級職員の報酬・給与カットを行うべきと思いますが、いかがでしょう。

(知事)特別職等報酬審議会の答申に基づいて今年度から適正な水準に引き下げ改訂を行ったところで、一般職給与については平成18年度以降、給与構造改革などによる給料表の引き下げ、諸手当の抜本的見直し、超過勤務手当の徹底削減などに取組んで来た。

 また、長野県では行財政改革プランの目標を大きく上回る人員削減を実施しており、これらの取組みの結果、平成21年度当初予算における人件費は前年度に比べ27億円、プランによる取組みを始めた平成19年度に比べると66億円の減額となっている。

 職員給与等の特別な減額措置については、県内経済に与える影響を十分考慮しながら、財政状況や諸般の情勢を見極めながら、適切な判断をして参りたい。

 前県政の残した「瓦礫の山」を片付けたというのが、村井知事の枕詞のようですが、村井知事には、くれぐれも、「借金の山」と「ゴミの山」を残さぬような県政運営を求め、質問を終わります。

追記

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